こんにちは。旅人文化振興会のブログでおなじみのマリリンです。
2001年7月、インドへの旅に出ました。当時は、特にインドなどの田舎の方ではまだインターネットの環境がそれほど整ってなく、メールを出すときには、Bccで一斉に報告という感じで送信をしていました。インドからの帰国後、写真展をするために、自分の送ったメールを少しだけまとめてみました。今から思うと恥ずかしいなと思うのですが、2001年のインドは私にとっても特別な想いがある旅で、今回、旅人文化のページに掲載することにしました。

ダラムサラからの手紙2
日付 :06/08/01

親愛なる みなさま Dear all

こんばんは。
いかがお過ごしでしょうか?
ダラムサラという街から、メールしています。
この後のバスでデリーに向かいます。
今日、ダライラマがどこかからか帰ってきたという事で、会う事は出来ませんでしたが、数キロの距離に接近しております。ホーリースピリットをバシバシ感じて、体がしびれています。ビリビリビリビリ。。。(って、多分ただ疲れているだけでしょうが。)
彼に会えないのは残念ですが、ここはとても気に入ったので、またそのうち帰ってきたいです。
ただ年々観光化が進んでいて、どんどん変わっていくのでしょうね。
さて、長袖が必要なこの街から、デリーに戻るという事で、想像してみるだけで疲れてきます。あの街程、人間をエネルギッシュにして、そしてまた疲れさせてしまう所はなかなかないと思います。気合入れて頑張りますわ。

今日は朝からわけの分からない騒動に参加させられ、目はばっちり覚めたのですが、心がしゅんとしぼんでしまい、散歩して、ずっとカフェっていました。カリカリと文章を書いていて、だんだん頭が痛くなってきて、くもりぞらを眺めて、親しい人たちのことを想っては、流れていく雲がまるで自分のように思えてきて、私はいったい何処にいるんだろう? なんて思っていたら、牛が何食わぬ顔で目の前でブリブリとウンコをしはじめ、そうね、ここにいるんだねって、なんだか馬鹿みたいな気持ちになってきて、ふむ。そうです、わたしはブリブリと時間を過ごしています。

今日、ようやくレーにいたときにたまっていたメールを全部チェックできました。みなさんの励まし、心配の言葉、情報など、ありがたく拝見いたしました。感謝します。

私は、なんだかんだと元気です。
東京にいる自分に比べてみたら、100倍はやばいです。
表情がクルクルまわるようになったし、体はぴょんぴょん跳ねるようになったし、踊るような足取りを取り戻したし、非常に自分勝手になったし。。。やれ。旅人には、いくつかのタイプがあると思うけれど、わたしじしんは生気を失っていくタイプの方でなく、その土地のエネルギーをグイングインと吸い込んでしまって、はちきれんばかりになってしまうタイプです。それは、あるいは、いつもさみしさと隣り合わせていたりもするかもしれないけれど、東京のあの四畳半で感じるものよりは、はるかに健康的です。ふむ。
ばかみたいないいかただけれど、いっぱいの愛と自由が、信じられないくらいにきもちよい。

さて、今日はこのへんで。

ちゃお

現在のマリリンのコメント:

日本語の環境があるネットカフェを見つけることは、このころはなかなか難しいものでした。それから、たとえ見つけたとしても、外国を旅している途中の相手側が日本語を表示できないということがあって、そのためにローマ字や英語でわざわざ書いていたのを懐かしく思います。

ここにあるわけの分からない騒動というのがどういうものだったのか、実はちょっと思い出せません。部屋のどこかにしまってある日記を引っ張り出してくればきっと分かるのでしょうが、それはそのうちに。

この日は気持ちがシュンとしぼんでいるようですが、基本的にはインドではずっと元気だったんですね。健康という観点からもおなかを壊したというのもたった1度だけだったのを覚えています。それも、長距離バスの途中の休憩所で、そのサモサを食べた人全員がおなかを壊すという中での出来事だったので、普通に一般の市民が食べているものを食べている限りでは、まったく問題ありませんでした。

ここに書いてあるような、のびのびとした自由な感じは、もしかしたら旅の空の下だからとも考えられます。でも、冬のヨーロッパを旅していたときのことを思い出してみると、やっぱり、旅をする土地の違いは人の体や気持ちに大きく影響をするものだと、今になってみて考えてみるとはっきり思います。私には土も人も動物も、なんだかある意味臭くって、という土地はあうのかもしれないです。日本で言えば、東京に住んでいながら、実のところ関西のほうがなんとなく好きなんだよなあっていうのは、近い感覚なのかもしれないです。とは言っても東京にいても、そういう気持ちになれる場所はあるし、時間があってそういうところに行くと本当にホッとします。それでもって、自分が小さくともそういう場所を作ることができれば面白いんだけどなあと思いながら日々何かとやってるのですが。。旅人文化も、そんなふうに育っていけばなあと思ってます。

ちょっと話がそれましたが、この頃は、私は4畳半の風呂なしアパートに住んでいました。ここには、その4畳半よりもインドのほうがはるかに健康的な感じでウキウキと書いてますが、じゃあ、お風呂もあるもっと広い場所に住んでいる今とその4畳半を比べてみると、どちらがいいのかっていったら正直分かりません。比べてみても仕方がないのですが、少なくともあの頃は、それなりの純粋さをキープして生きるのにはよい環境だったのかなあと思います。

ああ、また、牛がウンコをブリブリとやる前で、甘いミルクティでも飲みたいな、と思うこの頃です。

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